漢方で日焼けによるシミを防ぐ方法

漢方では、「体のバランスを整える」ことを重視しています。人間にはそれぞれの体質の違いがあります。例えば（これは女性に多いと思いますが）体が冷えやすい人（俗に言う「冷え症」ですね）には、体を温める漢方処方を使います。逆に体に熱がこもりやすい方（暑がり）には、体内の熱を冷ます成分が含まれた漢方薬を選ぶことが多いです。これにより、体の中の「寒熱（代謝熱と水分のバランス）」のバランスを取り、健康で溌剌とした毎日を過ごせるように導きます。

お肌の健康についても同じことです。「冷え症の人」に効く漢方薬を「暑がり」の人に飲ませても、もっと熱くなるだけですし、「暑がりの人」に効く漢方を、「冷え症の人」に飲ませると、体が冷えすぎて、場合によっては危険な状態になることもあります。要は「バランス」なのです。

「お肌をキレイにすることに集中して漢方を服用する」ということではなくて「体のバランスが整えば、自ずとお肌もキレイになる」と考えることが必要だということです。確かに「お肌にいいと言われる漢方薬」はあります、が、それは万人に効く漢方薬ではないのです。それぞれ一人ひとりに合った「自分自身のための漢方薬」を見つけることが重要です。

「では、漢方薬で体のバランスを整えれば、日焼けによるシミも予防できるのですか？」という問いに対しては、「イエス」と答えます。体のバランスが整うということは、「体の機能（内臓や皮膚の新陳代謝）」が活発になるということです。皮膚の新陳代謝が活発ならば、もし仮に紫外線によって「シミ」の素が出来たとしても、すぐに処理できるからです。それに、皮膚の状態がベストならば、「紫外線に対するバリヤー機能」もしっかりと働いて、皮膚を防御してくれます。自分の身体の状態を常に「ベストの状態」に保てるように管理すれば良いのです。しかし、現代社会は「電磁波」「放射能」「食品添加物」「農薬や化学肥料から出る化学薬品」など、体にダメージを与えるもので溢れています。食品添加物など、普通に生活していれば年間で約5キロ以上摂ってしまうそうです。こんな状態では、普通の生活をしているだけで不健康になってしまいそうです。そこで、漢方薬を上手に使って自分の体質をベストの状態に持っていき、これら有害物質を体外に排出していくことが必要だと考えています。

　でも「どのような漢方薬を飲めば、自分の体質が変わるのか・良くなるのか分からない」、と悩む方が多いのも分かります。どこに着目して、自分の身体を整えていけば良いのか…。この疑問への回答として一つアドバイスさせていただきます。まず、根本的自分の体力を強化するのに必要なことは、「脾」をを強化するということです。あっ、「脾」と言っても分からない人が多いですよね。漢方では「胃腸」のことを「脾」と言っています（正確に言うともっと幅広いのですが…）。 「脾」というのは、生れ落ちてからの一生の間、生きるためのエネルギーを得るために重要な内臓です。ここが弱いか働かないと、必要な栄養分が取れずに、体が衰弱してしまったり、充分な新陳代謝が行われない状態が引き起こされます。それが皮膚に対しても悪影響を及ぼします。脾が弱い人は冷え症になりやすいようです。逆に脾が強い人は、体の中に熱がこもり、慢性炎症を引き起こしやすくなってしまいます。ですから、脾が弱い人には、「脾を強くする漢方薬をお飲みいただき、脾が強い人には、脾の余分な熱を取る漢方薬を飲んでいただきます。

　脾を強化した後は「血流を改善」します。脾（胃腸）で作られた栄養素を全身の細胞にしっかりと届けるためには、「血液がキレイ」で「血管の中をさらさらと流れている」ことが大切ですね。漢方を使って、血液を浄化し、血管の壁を掃除して、さらさらと血液が流れる状態を作りましょう。そうすることで全身の皮膚細胞に必要な栄養素や酸素が送り込まれ、新陳代謝を活発にして老廃物を排泄します。

新陳代謝で出た老廃物を体外に出すのは、主に「大便」と「小便」ですね、あ、お食事中の方はすみません💦　まあ、でも重要なことです。便秘していると老廃物を上手く排泄できずに体内に溜まっていってしまいます。脾を強化することは「便秘解消」にも繋がります。しっかりと脾を整えましょう。オシッコもキチンと出せるように腎臓の強化もしましょう。夜間頻尿やむくみが気になる方は、腎臓を強化する漢方も試してみましょう。

　体の内側からのアプローチに加えて、外側からのアプローチ方法もご提案します。皮膚代謝を活性化させるスクアレンスプレーや高濃度ビタミンC配合の化粧水、薬草成分配合の化粧品等、それぞれの体質に合ったものをお勧めしますね！

漢方の考え方を取り入れ、漢方薬を実際に使っていくと、今までとは違う感覚を手に入れることができるでしょう。あなたに合った「お肌強化の漢方薬」、一緒に探しましょう！